ロードバイクを始めたきっかけは車の売却だった。私は幼少期より無類の車好きであって、20代の頃より30年近く車を所有してきたが、やむを得ない事情により2011年2月に車を売却した。車のない寂しさを紛らわすためと当面足がわりということで自転車を購入することにしたのである。
車を売却した直後トレックのクロスバイクを購入。これが望外に面白くはまってしまった。ヘルメットとメッセンジャーバッグを購入して毎週末ライドに勤しんだ。毎週末のバイクライドは実に楽しくて、時には100km走ってしまう日もあった。4ヶ月位乗って自転車にもかなり慣れてきた頃だろうか、クロスバイクからロードバイクへの買い替えを余儀なくされる事件が2度も起こったのである。それは駒沢通りを走っている時と吉祥寺の方を走っている時だった。駒沢通りではコルナゴのロードに乗る女子に、吉祥寺ではクオータのロードに乗る女子にやすやすと追い抜かれてしまったのである。二人とも私より身体が小さく筋力もなさそうであった。筆舌に尽くしがたいほどショックを受けた。30代より長年ジョギングをやり脚力と持久力には多少なりとも自信があったからである。
その時の思いがよほど悔しかったらしく、それからすぐにロードバイクを買うことに決め、中古ではあったがコルナゴのアルミフレームのエントリーモデルを購入。一日も早くマスターしようとロードバイク関連の本などを貪るように読んだ。それだけでは飽き足らず近藤史恵先生のロードバイク小説をAmzonのKindleで全部読んだ。
ロードバイクを始めた人が最初に引っかかる関門は車道を走ることとビンディングペダルであろう。車道は私も最初は超こわかった。すぐ慣れたけど。しかしビンディングペダルは50過ぎた男には難しかった。最初何回もコケて恥ずかしい思いもした。膝を擦りむいて家人に子供みたいと馬鹿にされたりもした。しかしそれも数ヶ月毎週末走っているうちに全然普通になり、今ではビンディングペダルなしでは走れない程である。
ロードバイクは毎週末走っていると中毒みたいになる。週末は必ず走っていたのだけれど、必ずしも気象条件が完璧という日は非常に少ない。私は30代の頃マツダのロードスターを所有していたことがあったがオープンエアーで走って気持ちが良いのは一年に2~3日しかなかったのではないか?ロードバイクも似たようなものであって、風がなく、気温がちょうど良いという日は年間に数えるほどである。
気象条件といえば走りに行って天気を甘くみて死ぬ思いをしたことが2回あった。一度は春先の100km位のライドで途中雨が降り出し、段々強くなって来た。雨具を持っていないし、雨宿りする場所もない。体温は下がりだすし、死ぬかと思った。二度目は160km位のライドで、気温が夏暑くなることで有名な埼玉県の内陸部である。多分38度位あったと思うがボトルのドリンクはすぐなくなり、自販機で500ミリリットルのスポーツドリンクを5本も飲んだ。良く死ななかったものとおもう。
ロードバイクを始めて良かったなあとおもうのは体調が良くなったこと。私は元々胃腸があまり強い方ではなかったのであるが、すごく調子が良くなって来た。突然の腹痛に悩まされることもなくなって来た。その他にも贅肉が落ちて、筋肉がついてきた。
コルナゴのロードバイクに2年乗ったのであるがどうしてもカーボンフレームのロードバイクに乗りたくなって来た。丁度フェルトのF5というフルカーボンのモデルが中古でお手頃価格で出ていたので一も二もなく購入。カーボンは乗り心地が良いという先入観があったのだが、硬質なスパルタンな乗り心地で意外であった。F5は飽きっぽい私には珍しくもう5年近く愛用している。
そんな感じでもう7年もロードバイクを続けているがこれからも末永く健康で怪我なく続けて行かれればとおもっている。

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